「幸せに働く」ためのヒント:自分らしい職場とキャリアを見つける方法

キャリアコーチングやパーソナルコーチングを通じて、働きがいのある職場づくりをサポートしている、株式会社できるの代表取締役を務める杉本嵩龍さん。

仕事を通じて人々が幸せを実現できる社会を目指しています。

今回は杉本さんに、幸せな仕事の見つけ方についてお話を伺いました。

杉本嵩龍さん

株式会社できる
代表取締役
杉本嵩龍さん

石川県かほく市出身。近畿大学理工学部卒業。
在学中から水中カメラマンとして活動。
繊維加工会社を経営していた父親が病に倒れ実家に戻ったが、3代目としてバブル崩壊、リーマンショックなどの経済の大波を受け、会社の整理を44歳で決断。
その後大手歯科商社に入社し、部下なし係長から5年で総務・広報部長まで昇進した。
「こどもたちが憧れる大人をたくさん増やして未来社会を元気にする」
を実践するため「株式会社できる」を設立。

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【会社で働くことで幸せになるには?】

私は、コーチングや研修をする時に「幸せに働く」ということをキーワードとしてお話しています。自分の気持ちが幸せだと、気持ちよく働けますし、成果も出ます。ひいては、いいキャリアを築いていくことに繋がっていくと思うのです。

人間関係がいい会社は働きがいがある

幸せな職場とはどんな職場だろうと考えた時に、人間関係がいい会社かどうかが重要なのだと気づきました。人と人の繋がりがしっかりしている会社は働きやすいし、業績も伸びていきやすいです。なので私は、「どうすれば会社がよくなるか」という相談を受けた際に、「まず、人間関係の質を高めましょう」と伝えています。

組織における人間関係の重要性を説く理論の一つとして、ダニエル・キムの成功循環モデルというのがあります。これは、関係の質が思考の質に影響し、行動の質、結果の質へと順に影響していき、最終的に循環していくという理論です。 

具体的には、チームの関係性(関係の質)がいいと、社員がお互いに信頼し合っているので、自由に意見が言いやすくなります。そうすると色々なアイデアが出てくるので、思考の幅が広がっていきます(思考の質)。そして行動の量も増えていき(行動の質)、たくさんチャレンジするから、いい結果も出やすくなる(結果の質)ということです。

HUMAN VALUE 成功の循環

まずは自分のことをよく知ろう

求職活動で会社を選ぶ際にも、「関係の質」を重視してほしいです。では、どうすれば関係の質がいい会社を選ぶことができるか。

それはまず、自分のことをよく知ることです。自分の大切にしている価値観や、得意なことを明確にしましょう。価値観や得意不得意は、人によって違います。そして、会社が求めている価値観やビジョンも、会社によって様々です。自分の価値観やビジョンに近い会社を選べば、働きがいをもって仕事に取り組めますし、その会社でいい人間関係を築いていけると思います。まずは、自分の持ち味をしっかり分析してほしいです。

自分がハッピーになれるかどうかで判断

自分をしっかり見つめ直したうえで、今度は、未来の自分がどうなっていたいかを考えてみましょう。そしてその未来は、必ず「自分がハッピーな未来」にしてください。10年後、自分はどんな環境にいたいのか、どんな人たちに囲まれていたいのかというように、未来の自分の姿から逆算して考えるといいです。

将来なりたい自分を明確にして、そうなれるような会社を選んでいけば、結果的に働きがいを感じられると思います。自分の価値観と会社の価値観が、必ずしもぴったり一致することはなかなか難しいですが、価値観が少しでも多く重なっていれば、仕事の中で多少大変なことがあっても、頑張れるのではないでしょうか。

【やる気やビジョンを持てる仕事こそ、いい仕事】

杉本嵩龍さん

働いていくうえでは、やる気がとても大事ですが、やる気を引き起こす動機というのは、二つあり、一つは外発的動機といって、給料や待遇などがこれに当たります。もう一つは内発的動機で、ビジョンや、やる気などはこちらに含まれます。 この二つの動機のバランスをとることが大切です。

たくさん稼ぎたいという外発的動機も、頑張って働こうとするモチベーションになるので、間違いではないです。しかし、お金を使って高いものを買ったとしても、それで満足して終わりなのではないでしょうか。

心が満たされるような仕事をする

外発的動機だけでなく、少し内発的動機も意識してみてほしいです。「この仕事をしたら、自分は将来どういうふうになるのか」や、「社会にはどのように影響するだろう」などと考えてみることで、内発的動機が見えてくるはずです。そういった動機は持続しやすいですし、心が満たされ、幸せを感じるということに繋がっていきます。

【「六方よし」の精神がいい未来を作っていく】

近年、SDGsが注目されていますが、私も企業に対して、SDGsを意識した経営を提案しています。近江商人の経営哲学に「三方よし」という言葉がありますよね。私はこれにあと三つ加えて、「六方よし」というのを提唱しています。会社よし、お客様よし、世間よし、従業員よし、地球よし、未来よし。

特に6つ目の「未来よし」が大事です。企業は、商品やサービスが未来にとって良いものなのか考えていかなければならない。未来を担う子どもたちにも目を向けてほしいです。未来をつくっていくのは子どもたちですから、大切にしないといけない。

私たちは会社という大きな船に乗って、未来を目指している

そして、働く人も未来に意識を向けてみましょう。未来にコミットメントしていると思うと、それだけでワクワクしませんか。例えば、漫画『ワンピース』はとても人気ですけれど、読んでいてなぜワクワクするのか。それは、色々な個性を持った登場人物たちが、夢を抱いて船に乗り、未来に向かっていく姿が、人々の共感を呼んでいるからだと思います。これを会社で働く私たちに当てはめてみると、やはり、色々な個性をもった社員が一つの会社に集まって、理念やビジョンを実現するために進んでいくわけですよね。

会社を船のようなものだと考えてみてください。その船に乗ることで、自分の夢が叶えられるのかどうか。ただ、途中で「やっぱり違うな」と思うこともあると思います。そのときは、船を降りてまた別の船に乗ればいいのです。

【株式会社できるは、自分探しのためのコーチングを提供】

杉本嵩龍さん

私たちは企業や個人に向けてコーチングを行っていますが、最近は「現状を変えたい」という相談を受けることが多いです。皆さん、会社や自分を変えたいと思ってはいるけれど、具体的にどうなっていきたいのかが分かっていない。若い人も年を重ねている人も、自分のことがよく分からないという方は、意外とたくさんいらっしゃいます。まずは自分を知ることが大切です。私たちのキャリアコーチングやパーソナルコーチングを受けていただくことで、自分の思いに気づき、ビジョンを明確にすることができるかと思います。

大人がハッピーだと、子どもたちの夢が育つ

今は昔に比べると、地域のコミュニティーにおける人と人との関わりが、本当に希薄になっていて、子どもたちの身近にいる大人は、親と学校の先生だけになってしまっています。その中で、お父さんやお母さんがどんなふうに働いているかが、子どもたちにとってすごく重要なのではないでしょうか。大人がいきいきと働いている姿を見せることで、子どもたちも未来に夢や希望を持つことができるのではないかと思います。

そのためには、まず会社をハッピーにしなければいけないです。会社がハッピーだと、そこで働く大人たちがハッピーになり、幸せそうな姿を子どもたちに見せることができる。それってすごくいい社会ですよね。私たちの使命はそこにあると思っています。

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