【一般社団法人Web3人材マネジメント協会代表理事小宮滉】WEB3業界で活躍する人材とは?求められるスキルや未経験から業界に参入する方法

一般社団法人Web3人材マネジメント協会
代表理事
小宮滉さん

2017年に法政大学経営学部に入学。在学中にDMM WEBCAMPでプログラミングを学び、コインチェック株式会社で勤務。2022年5月にGUILD株式会社を創業し、主に「LINEミニアプリ」や「LINE Mini Dapp」の開発支援、エンジニア・PMに特化した転職支援サービスの運営を行っています。 2024年11月より、一般社団法人Web3人材マネジメント協会の理事長を務めています。

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Web3業界の現状と求められる人材について

小宮:Web3業界は依然として発展途上ですが、着実に成長を続けています。業界で求められる人材は大きく2つに分かれると思います。1つはエンジニア、もう1つはビジネス開発(事業開発)です。特に注目すべき点として、多くの企業がまだ小規模であるため、「何でも屋」的な役割を担える人材が重宝されています。

未経験者でもWeb3業界への参入は可能でしょうか?

小宮:はい、可能だと思います。ただし、いくつか重要なポイントがあります。まず、既存のビジネス経験、特に事業開発や組織構築の経験があると良いですね。それから、仮想通貨やブロックチェーン技術を実際に触れることも重要です。ただ単に仮想通貨を売買しているだけでなく、なぜその取引所や通貨を選んだのかという理由を持って行動していることが大切です。

Web3業界でのキャリアアップの特徴はどのようなものでしょうか?

小宮:Web3業界でのキャリアアップの特徴として、グローバルな展開の可能性が挙げられます。例えば、日本のWeb3企業で経験を積み、海外の企業と連携する機会を得て、より大きな役割へステップアップするといったキャリアパスが考えられます。グローバルで何かしたい、有名海外プロジェクトのカントリーマネージャーになりたいという希望がある人にとっては、比較的早くそういったポジションに就ける可能性があります。

エンジニアを目指す場合、どのようなスキルが求められますか?

小宮:エンジニアを目指す場合、いくつかの言語やツールの習得が推奨されます。まず基本的にはSolidityという言語を学べばスマートコントラクトの開発ができます。それ以外にも、例えばSolana上で開発するにはRust、Aptos上で開発するにはMoveといった言語を使用します。どのブロックチェーンでサービスを作りたいかによって必要な言語が変わってきますね。

初学者向けの学習方法についてアドバイスをいただけますか?

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小宮:初学者向けには「NFTの教科書」や「新NFTの教科書」などの書籍がおすすめです。最近では「新NFTの教科書」が出版されましたが、これは以前の版よりも詳細な内容になっています。また、「Read Write Own」という本も参考になるでしょう。これはWeb3の概念的な部分や、海外のトレンド、トップTierのVCがどう考えているかといった内容が書かれています。

Web3業界の待遇や働き方について教えてください。

小宮:待遇面では、グローバルに活躍できる場合は比較的高い報酬が期待できます。特に金融に直面する部分も多いので、例えばクオンツのような人材であれば高い報酬を得られる可能性があります。インターンシップで時給1,500円くらいからスタートしても成長していくと、年収で2,000万円くらいまで行く可能性もあります。

働き方の特徴としては、リモートワークが一般的で、ドレスコードも緩いです。スーツを着る必要はありませんし、柔軟な働き方が可能です。既存の働き方にとらわれたくないという人が非常に多いので、働きやすい環境だと言えるでしょう。

Web3業界に転職を考えている人はどのような傾向がありますか?

小宮:だいたいメガベンチャーくらいのレイヤーで3年くらい勤めて、趣味で仮想通貨を触っていて、ちょうど転職も考えているというような方が多いですね。最新のテクノロジーや、Web3の概念に興味がある人も多いです。

具体的な例を挙げると、メルカリの子会社からアニモカ・ブランズというWeb3のインキュベーション的な会社に転職した人もいます。サイバーエージェントからコインチェックに転職した人もいますね。コンサル系だと、アクセンチュアに行った知り合いが独立してWeb3の事業を始めたケースもあります。

Web3業界で働く上での注意点はありますか?

小宮:Web3業界には怪しい情報も多いので、注意が必要です。例えば、XやYouTubeで「月利○○%」といった投資系の情報には気をつけた方がいいですね。また、LINEの公式アカウントやオープンチャットに誘導するような案内も怪しいと考えた方がいいでしょう。リアルのセミナーなども要注意です。

見分け方としては、まずインターネットで調べてみて、その人の経歴が明確に出てくるかどうかを確認することが大切です。仮想通貨系だとマルチ商法の人も多いので、そういった過去の事例が出てこないかチェックすることも重要です。また、信頼できる取引所の代表者などがフォローしているかどうかも、一つの判断基準になると思います。

最後に、Web3業界を目指す人へのアドバイスをお願いします。

小宮:Web3業界は新しい技術と可能性に満ちた分野です。興味のある方は、まずは基本的な知識を身につけ、実際に技術に触れてみることが大切だと思います。グローバルな視点を持ち、柔軟な思考で挑戦する姿勢が、この業界でのキャリア構築に重要なポイントになるでしょう。

また、Web3の概念や技術は日々進化しているので、常に最新の情報をキャッチアップする努力も必要です。そして、コミュニティに参加したり、実際にプロジェクトに関わったりすることで、より深い理解と経験を得ることができます。

Web3業界は確かにまだ発展途上で、リスクもありますが、同時に大きな可能性を秘めた分野です。自分の強みを活かしながら、この新しい世界に挑戦してみてはいかがでしょうか。

取材日:2025/02/03
取材者:岸田佳祐

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