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M&A業界はきつい事で有名ですが、会社や事業の売買を成功させることに「大きな感動」を味わえる仕事。
高年収はもちろんのこと、今まで培ったスキルを活かして大きな事業にチャレンジしたい人向けの業界だ。
この記事では、M&A業界の転職事情から、未経験からでも有利に転職する方法まで解説する。
M&A業界はあまり企業数が多くないため、他の業種と比べると、採用できる人数が少なくなってしまう傾向に。
そのため、行きたい企業がすでに決まっているなら、業界に強みのある転職エージェントを利用して、少しでも転職成功率を上げておくと良いだろう。
特に、最近M&A業界で強さを出してきている「M&A総合研究所」などの企業に転職したいと考えているなら「リメディ」を利用するのがおすすめだ。
業界に強みを持っている専門家からの手厚いサポートを受けられるため、M&A業界を見ている人は登録しておきたいサービス。
他にもおすすめの転職エージェントはあるため、本記事を読んで、あなたの転職活動の参考になれば幸いだ。
M&A業界でおすすめの転職エージェントはどこですか?
おすすめのM&A転職エージェントTOP3は以下のとおりです。
おすすめエージェント | 求人数 | おすすめできる人 | 公式サイト |
---|---|---|---|
★おすすめ リメディ | ・全数は非公表 ・全体の80%が 非公開求人 | M&A業界に強い専門家から サポートを受けたい人 | https://remedy-tokyo.co.jp/ |
アクシスコンサルティング | ・全数は非公表 ・全体の77%が 非公開求人 | 長い目で転職先を 探したい人 | https://www.axc.ne.jp/ |
ビズリーチ | ・M&A求人は 944件 | スピーディに 転職したい人 | https://www.bizreach.jp/ |
M&A業界への転職で失敗しないために、どうやってエージェントを選んだらいいですか?
M&A業界への転職の際に失敗しないための転職サイト&転職エージェントの選び方は以下の3つです。
- M&A業界に特化したエージェントを選ぶ
- 非公開求人があるか確認する
- M&A業界に強いエージェントがいるか確認する
M&Aの転職サイト&エージェントを賢く利用するコツはありますか?
M&A業界への転職サイト・転職エージェントをうまく利用するためのコツは以下の5つです。
- 提案に対するレスポンスを早くする
- 希望条件は遠慮せず正直に伝える
- 2〜5社のサイト・エージェントを活用する
- エージェントに嘘をつかない
- 担当と相性が悪いと感じた場合は変更を希望する
ライター
秋山ヒロ
教職大学院を卒業後、公立中学校で11年勤務。
2019年転職活動を経て、私立高校へ転職。
現役の国語教員ライターとして、わかりやすい文章で正しい情報を記載するのがモットー。
今回もM&A業界への転職者4人にアンケートを行い、実際の体験談をお届けしています。
監修者:株式会社キープレイヤーズ代表取締役
高野 秀敏
M&A業界は、近年人気のある転職先の1つです。
後継者問題に悩む企業の増加や、スタートアップ起業家の出口戦略としてのM&Aの普及など、マクロな要因も後押しをして、人気が高まっています。
1.M&A業界転職のポイント
ここでは、M&A業界への転職を考えるにあたって、知っておいてほしいポイントを解説する。
M&Aは、Mergers and Acquisitions(企業合併・買収)の略語であり、企業間での合併や買収をさす。企業の成長戦略の一環として行われることが多く、次のような目的がある。
- 市場シェアの拡大
- 新規事業の開拓
- コスト削減
- 競合他社の排除
具体的な手法としては、2つ以上の企業が合併して新しい企業を設立する方法や、1つの企業が他の企業を買収し、経営の権利を取得する方法などが挙げられる。
1-1.M&A業界への転職はチャンスあり
M&A業界では、今後多くの人材が必要とされる可能性が高い。
中小企業庁の2021年版白書(※1)によれば、M&Aの国内件数は2010年代から急増している。
また、2019年の経済産業省の報告書(※2)では、日本におけるM&Aの状況を次のように述べている。
海外M&Aの件数は増加傾向にある。一方で、積極的な海外M&Aの実施と共に日本企業は多くの苦労に直面している。
経済産業省「平成 30年度我が国内外の投資促進体制整備等調査(日本企業等による海外企業買収の課題等に関する調査・研究等事業)報告書」より抜粋
これらの記述から、日本ではM&A件数の増加している一方、業界に特化した優秀な人材は多くはないとわかる。
日本でM&A業界の専門家になり活躍できれば、ハイクラスな年収や仕事のやりがいが手に入るだろう。
未経験からでもM&A業界への転職は可能か?
未経験からM&A業界に転職するのは比較的難しいが、決して不可能ではない。M&A業界の主要な企業別で以下のような経験があればチャンスは十分にある。
- 銀行や証券会社での営業経験者
- 他業界でも現職で高い営業成績を出している場合チャンスあり
MR、保険、不動産、総合/専門商社など
- 銀行や証券会社の出身者
- 会計士
- 税理士
- 大企業の財務部門出身者
- 銀行や証券会社の出身者
- 会計士
未経験は難しい
※事業会社のM&A担当は、即戦力が求められるため未経験の方には難しい。
各企業の詳しい選考基準について詳しくは記事後半で解説している。
また、当サイトが実施した調査では、M&A業界で働いたことのある243人のうち半数を超える50.21%の人が異業種からの転職だという結果が出ている。
企業が求める人物像にあてはまり、なおかつ高い能力を有していれば、チャンスは十分ある。
20代は経験・スキルが不足していても採用されやすい
20代の人材であれば、多少経験やスキルが不足していても、成長が期待できるため採用されやすい。
また、M&A業界はハードワークが求められるので、体力のある20代に対する企業の採用意欲は高い傾向がある。
1-2.M&A仲介会社の平均年収は高い【3,000万円超えもあり】
M&A仲介会社の平均的な年収は、転職サイト・エージェントの求人情報からまとめると、役職順で以下のような範囲となる。
- アナリスト:年収400万円〜800万円程度
- アソシエイト:年収700万円〜1500万円程度
- バイスプレジデント:年収1000万円〜2000万円程度
- ディレクター/マネージングディレクター:年収1500万円〜3000万円程度
上記の数字はあくまで一例であるが、日本の平均年収461万円と比較すればかなり高いと言えるだろう。
1-3.M&A業界はハードワークが求められる
M&A業界は、魅力も多いがその分ハードワークが求められる。かつては土日祝出勤や深夜残業も当たり前だった。昨今はやや是正されたとはいえ、長時間労働は覚悟したほうがいい。
ただしその分、成長やスキルアップにもつながる。以下のような部分で汎用的なビジネススキルが身につくのが大きな魅力だ。
- 経営管理
- 財務
ハードだが、その分成長できる環境に身を置き、キャリアを築いていきたい人にはうってつけの業界ともいえる。
また、M&A業界の中でも唯一、事業会社のM&A担当者はワークライフバランスが良いとされている。
1-4..M&A業界への転職はエージェント利用がおすすめ
M&A業界への転職は、以下のようなメリットからエージェントを利用するのがおすすめだ。
- 企業が求める人物像に関する情報提供が受けられる
- M&A業界に精通したエージェントからアドバイスを受けられる
- 好条件な非公開求人を保有していることがある
- 書類選考免除など特別な選考ルート
転職エージェントは業界未経験の方にとって、特に頼りになる存在だ。転職エージェントと並行して、「ビズリーチ」などスカウトが受け取れる転職サイトを併用するのも良いだろう。
2.M&A業界でおすすめの転職サイト&エージェント10選
ここでは、以下の基準で選んだM&A業界に強みのある転職サイト・エージェント10選を紹介する。
- 企業の公式ホームページが継続して運営されている
- 創業から10年程度経過しており、実績がある
- 求人数が50件以上〜(非公表企業を除く)
それぞれの特徴を解説していくため、M&A業界に転職を考えている人は、ぜひ参考にしてほしい。
なお紹介している求人件数や公式ホームページのデータは、2023年3月現在のものであることに注意してほしい。
監修者:株式会社キープレイヤーズ代表取締役
高野 秀敏
転職エージェントは複数社に登録・相談することをおすすめします。各社が個別に保有している非公開求人が多いためです。
M&A業界のなかでも、新興のM&A企業に転職を検討されている場合は、ぜひ弊社にもご相談いただければと思います。
2-1.リメディ
エージェント名 | リメディ |
公式サイト | https://remedy-tokyo.co.jp/ |
M&A求人数 | ・全数は非公表 ・全体の80%が非公開求人 |
おすすめの人 | M&A業界に強い専門家から サポートを受けたい人 |
リメディは、M&A業界に強い専門家からサポートを受けたい人におすすめだ。
上場M&A仲介業界において、内定数No.1(※公式サイトより)を誇っている。
在籍する専任アドバイザーの中には、M&A業界の採用人事・アドバイザー経験者も。
これまでに200名以上の支援実績を持ち、面接対策やSE対策なども徹底的にサポートしてもらえる。
オファー条件交渉にも強いため、キャリアアップも目指せるだろう。
実際、M&A業界において腕を振るわせている企業である「M&A総合研究所」の求人も扱っているため、求人に応募したいと思っていたのなら、リメディ経由がおすすめだ。
手厚いサポートや高い実績からリメディを利用することで、転職難易度の高いM&A業界でも、成功率は高められるだろう。
なお、リメディ利用者はM&A業界経験者に限らない。
過去にM&A未経験の転職サポートの実績もあるため、M&A業界に転職したい人は安心して利用してもらいたい。
サービスの利用は完全に無料。
M&A業界への転職なら、まずは業界No.1エージェントのリメディへ相談してみよう。
2-2.アクシスコンサルティング
エージェント名 | アクシスコンサルティング |
公式サイト | https://www.axc.ne.jp/ |
M&A求人数 | 全数は非公表。全体の77%が非公開求人 |
おすすめの人 | 長い目で転職先を探したい人 |
アクシスコンサルティングは、長期的な計画で転職先を探したい人におすすめだ。
創業20年間で約75,000名の転職者を支援した実績がある。
内定を獲得した役職もレベルが高く、外資系コンサルティングファームの「シニアコンサルタント以上の入社実績数」が転職エージェントの中でも上位。
その信頼性の高さから、独自に保有している未公開求人も多い。
また通常は転職時だけの支援で終わることが多いエージェントだが、アクシスコンサルティングの平均転職支援期間は3年間と長い。
これは、求職者のキャリアプランをふまえたアドバイスを行なっているためで、転職時期ではないと判断した場合は無理にすすめないスタンスからきている。
自社の利益だけを優先するのではなく、求職者に寄り添ったサービスを提供している結果と言えるだろう。
さらに転職成功率を上げたいなら、M&A業界に強みのある「リメディ」も併用すると良い。
2-3.ムービン・ストラテジック・キャリア
エージェント名 | ムービン |
公式サイト | https://www.movin.co.jp/finance/ma/ |
M&A求人数 | 非公表 |
おすすめの人 | 金融業界経験者にサポートしてほしい人 |
ムービンは、金融業界に詳しい専門エージェントにサポートしてほしい人におすすめだ。
ムービンのエージェントは金融業界出身が多数在籍しており、前職が日本政策投資銀行(DBJ)や野村證券など、一流企業での経験を有している人がいる。
このような大手出身者だけがもっている人脈や知見を生かし、あなたの転職をサポートしてくれるだろう。
また転職が決定したあとも無料サポートが受けられる点も強い。専任のコンサルタントが、スタートからゴールテープを切った後まで不安を解消してくれる。
これはムービンの「転職プロセス全般をプロとしてサポートする」という理念にもとづいたものだ。
業界に精通したスタッフの手厚いサポートを期待するなら、ムービンで転職活動してみてはいかがだろうか。
2-4.NewMA M&A特化ハイキャリア転職
エージェント名 | NewMA M&A特化ハイキャリア転職 |
公式サイト | https://newma.co.jp/ |
M&A求人数 | 非公開 |
おすすめの人 | 業界のリアルを踏まえた上で面接対策をして転職成功率を上げたい人 |
NewMA M&A特化ハイキャリア転職は、M&A業界のリアルを把握して自分のスキルをうまく活かしていきたい人におすすめ。
M&Aアドバイザリーの経験があるコンサルタントからM&A業界の魅力と大変さを教えてもらえる。
それ故に自分が活かせられるスキルを発見し、書類対策・面接対策が行えるので転職成功の可能性がぐんと広げられるだろう。
入社前と入社後の転職先のイメージのギャップをなくし、自分の理想を叶えられるフォロー体制も整っている。
M&A業界、そのリアルな業務内容に興味がある人はまずは無料相談に申し込んではいかがだろうか。
>> (無料)NewMA M&A特化ハイキャリア転職に登録する
2-5.リクルートエージェント
エージェント名 | リクルートエージェント |
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
M&A求人数 | 公開2,251件/非公開5,607件 |
おすすめの人 | 未経験からM&A業界へチャレンジしたい人自分のペースで転職を進めたい人 |
リクルートエージェントは、未経験からM&A業界への転職を考えている人におすすめだ。
転職エージェントとして業界最大手で求人数も多く、豊富な実績を生かして多角的な視点から求人を探してもらえる。
未経験であっても、M&Aに精通した専門エージェントが担当してくれるため、不安な点も相談しやすいだろう。
リクルートエージェントの強みは転職サイトとしての機能が充実しており、自分のペースで転職に備えて準備が可能な点だ。
書類作成のポイントがまとめられたコンテンツで学びながら、同社の転職サイトである「リクナビNEXT」で求人を探すことも可能。
エージェントとの面談まではまだ考えていない、という人はリクナビNEXTにも登録しておきたい。
2-6.ロバート・ウォルターズ・ジャパン
エージェント名 | ロバート・ウォルターズ |
公式サイト | https://www.robertwalters.co.jp/ |
M&A求人数 | 非公表 |
おすすめの人 | 語学力を生かしてM&A業界に転職したい人 |
ロバート・ウォルターズは、語学力を生かした転職を考えている人におすすめだ。
ロバート・ウォルターズの特徴は、外資系や日系グローバル企業への転職に実績があること。
そして英語力がある人や、バイリンガルを中心とした人材紹介に強みをもっていることだ。
求人情報も英語で記載されているものが多く、英語が得意ではない人はライバルにならないため、日本人間での競争率は高くないと予想される。外資系の特徴として収入が高いというメリットもあるだろう。
2-7.JACリクルートメント
エージェント名 | JACリクルートメント |
公式サイト | https://www.jac-recruitment.j/ |
M&A求人数 | 非公表 |
おすすめの人 | 30代以上で管理職経験がある人 |
JACリクルートメントは、30代以上で、マネージャーなど管理職経験を生かした転職を考えている人におすすめだ。
JACリクルートメントは1988年以来、約43万人の転職支援を行なっており、転職エージェントの総数も2018年8月現在1,200名となっている。
これだけ歴史がある企業ながら94.7%の利用者が「知人・友人にJACをすすめたい」とアンケートで回答しており、安心して利用できるサービスと言えるだろう。
またハイクラス・ミドルクラス転職(オリコン顧客満足度調査)において、5年連続1位を獲得している。
実績を積んできた30代以上の人が、より高いキャリアを求めて転職を考える場合、JACを利用するのが適切だろう。
2-8.ビズリーチ
エージェント名 | ビズリーチ |
公式サイト | https://www.bizreach.jp/ |
M&A求人数 | 非公表 |
おすすめの人 | 高い年収に絞った転職を狙う人 |
ビズリーチは、ハイクラスに特化した転職エージェントであり、高い年収を求めたい人におすすめ。
ビズリーチの特徴として、高い年収を希望する人にとって満足度が高い点が挙げられる。
公式ページによれば、2019年の調査において、年収600万円以上の方に支持される転職サービスとして1位を獲得している。
それだけハイクラスの内定を獲得できている、という証左でもあるだろう。
実際、この記事で紹介する4人のM&A業界転職者のうち、3名がビズリーチを利用したと回答している。
いずれも年収700万円以上を実現しているので、ハイクラス転職を望むなら利用しておいて損はない。
ただし、ビズリーチは転職サイトであるため、手厚いサポートなどはない。
サポートも受けながら転職活動をしたい方は、M&A業界に強みがある「リメディ」を併用すると転職成功率は高まるだろう。
2-9.ユニークボックス
エージェント名 | ユニークボックス |
公式サイト | https://unique-box.jp/ |
M&A求人数 | 非公表 |
おすすめの人 | M&A仲介業界経験者によるサポートを受けたい人 |
ユニークボックスは、M&A業界経験を持つアドバイザーからサポートを受けたい人におすすめ。
在籍するキャリアアドバイザー全員が、M&A仲介業界を経験しているプロフェッショナルだ。
企業ごとの面接対策、長期的なキャリアプランの事例紹介、さらに、ユニークボックス独自の特別選考ルートの案内も。
M&A業界を熟知したアドバイザーによるサポートで、高い内定率を誇っている。
求人は大手企業だけでなくベンチャーM&A仲介会社も含め、ほぼすべてを保有していることも強みだろう。
さらに、利用者はM&A業界歴の長さに関係なく登録可能。実際に未経験者のサポート実績もある。
M&A業界への転職を目指すなら、業界を知り尽くしたユニークボックスのアドバイザーへ相談してみては。
2-10.タイグロンパートナーズ
エージェント名 | タイグロンパートナーズ株式会社 |
公式サイト | https://www.tiglon-partners.com/ |
M&A求人数 | 約8,000件以上 |
おすすめの人 | よりハイクラスな転職をしたい人 |
タイグロンパートナーズは、上級管理職への転職を狙う人におすすめ。
圧倒的な求人数を誇り、特に金融業界・コンサル業界に強い。
もちろん製造業や事業会社への転職も充実していて、自分にぴったりの企業を見つけることができる。
転職支援を熟知したアドバイザーからのサポート体制も整っていて、戦略的アドバイスを受けながら転職に望むことも可能。
年代も幅広く、20代から50代までの人がタイグロンパートナーズで転職を成功させているのだ。
よりハイクラスな転職をしたい人はぜひ利用してみよう。
3.M&A業界に転職した4人の体験談
実際にM&A業界へ転職した4名の体験談を掲載する。
なおこの体験談は、クラウドワークスにて2023年3月に募集して回答を得たものである。
質問内容は次の5つ。
- 役職と年収
- 使用した転職エージェント名
- M&A業界へ転職したきっかけ
- M&A業界転職にあたり不安だったこと
- M&A業界に転職して感じたこと
4人の体験談について、それぞれ紹介していく。
監修者:株式会社キープレイヤーズ代表取締役
高野 秀敏
M&A業界は、出来高(インセンティブ)で給与が変動する仕組みになっている企業も多いです。
そのため、転職後に結果を出せたかどうかが転職満足度に大きく影響を与えます。
他の業界への転職でももちろん重要ですが、M&A業界への転職の場合は、特に「自分にマッチした(結果を出せる)環境か」吟味して転職先を選びましょう。
体験談1:30代前半男性
役職・年収 | アナリスト・700万円 |
使用エージェント | ビズリーチ、JACリクルートメント |
転職のきっかけ | 交渉や人に納得させることが好きで結果も出せていた。 近年ニーズが高まっている仲介が気になり、交渉の経験を活かしたいと思った。 |
転職への不安 | 専門的知識が乏しく、大型案件の経験もなかったため、通用するかどうか不安だった。 |
転職して | ただ契約の交渉やサポートという仲介業務だけではなかった。 予想以上に複雑な書類作成が多く、地味で細かい作業が多いと感じた。 また、勤務時間がかなり長い。 |
体験談2:30代前半男性
役職・年収 | アナリスト・900万円 |
使用エージェント | ビズリーチ、リクルートエージェント |
転職のきっかけ | 交渉や話し合いが好きで、目の前の人を納得させられることに達成感があった。 そのため「交渉を仕事にしたい」と思うようになった。 |
転職への不安 | M&A業界の専門的知識がなく、仕事としての交渉経験もなかったため、どこまで通用するかが不安だった。 |
転職して | 仲介や交渉などといった実務的な業務のみならず、書類作成や事務作業など細かな業務も結構多い。 |
体験談3:30代前半男性
役職・年収 | アナリスト・750万円 |
使用エージェント | ビズリーチ |
転職のきっかけ | 経営者が高齢化しており、後継者が見つからなかったりと経営に関するニーズも変わってきている。 そのため、これからはM&Aが増えていくと思った。 |
転職への不安 | 経験がない状態から目指すことになったので、はたして自分を必要としてもらえる場所があるかどうか不安だった。 |
転職して | 当初予想していた予想以上にさまざまな方面からニーズがある。 人口減少と高齢化の時代の流れに合わせ、今後もそのニーズは広がり続けていくと実感している。 |
体験談4:30代後半男性
役職・年収 | マネージャー・1,000万円 |
使用エージェント | なし(スカウト) |
転職のきっかけ | 営業と渉外経験が豊富だったのと、M&Aに有利に働く資格をもっていた事もあり、挑戦してみようと考えた。 |
転職への不安 | 前職に長年勤めており、収入も安定していて不満もない会社を辞めることに戸惑いがあった。 また、新しいことへの挑戦に対しての大きな不安があった。 |
転職して | 一見、高収入で結果次第では簡単にキャリアアップできると思って多少の自信もあったが、はじめは挫折の繰り返しだった。 日々ストレスを抱えていたが、実力と信用を積み上げていくうちにキャリアアップできた。 やりがいはあるが頑張らなければ低収入のままで、頑張り次第で高収入になれる。 稼げる、高収入といったイメージがあるかと思うが、専門知識の勉強や努力もかなり必要。 安易に転職した結果辞めていく方も多いので、強い意思と覚悟をもって転職することが大切。 |
4.M&A業界への転職で失敗しない転職サイト&エージェントの選び方3選
失敗しない転職サイト・エージェントを選ぶには、上記3点を意識しよう。
なお本記事で紹介した7つの転職サイト&エージェントは、上記のポイントを満たしているため、よければ活用してほしい。
もし、M&A業界以外にも、ハイクラス求人であれば業界を問わず転職したいと考えている人は、下記の記事でおすすめの転職エージェントをまとめているため、参考にしてほしい。
4-1.M&A業界に特化したエージェントを選ぶ
M&A業界は専門性が高い職種であるため、できるだけ特化したサービスを利用したほうがいいだろう。
専門的な知識や成功事例が多いほど、的確なアドバイスが得られるはずだ。
また大手転職エージェントであっても、M&Aに絞れる検索項目がある場合は、選択肢を広げるために特化サービスと併用しよう。
特におすすめなのは転職サイトなら「ビズリーチ」、転職エージェントなら「リメディ」だ。
ビズリーチはM&A求人が多いだけでなく、ハイクラス向け求人に強いスカウト型転職サイトのため、M&A以外でもあなたに合う求人が見つかる可能性がある。
M&A以外のハイクラス求人に少しでも興味があるなら、登録だけでもしておくとスカウトされる可能性はあるだろう。
また、リメディはM&A業界専門の転職エージェントで、業界知識が豊富な専門家からのサポートを手厚く受けられる。
ビズリーチと併用することで、転職難易度の高いM&A業界でも成功率を高められるだろう。
4-2.非公開求人があるか確認する
M&A業界が求める人材は、高いスキルが必要となるため、スカウトや非公開求人で募集されることがある。
誰でも気軽に応募できる場所には、求人を掲載していないということだ。
企業としても、信頼できるエージェントから優れた求職者を紹介してもらいたいだろう。
もしエージェントに相談できる場合は、非公開求人の内容を確認し、できるだけ好条件の求人を紹介してもらおう。
「リメディ」なら非公開求人が全体の80%と、他社では掲載されていないような求人を数多く取り揃えている。
非公開求人を多く取り揃えているエージェントは、各企業からも信頼されていることにつながるため、利用しておくことをおすすめする。
4-3.M&A業界に強いエージェントがいるか確認する
M&A業界出身のエージェントに担当してもらうほうが、専門的なサポートが得やすいのは間違いない。
出身者であれば、個人的な人脈を持っている可能性や、内定につながりやすいアドバイスも可能。
内部事情に詳しい人を味方にできることほど、心強いサポートは他にない。
M&A業界の知識が豊富な専門家がいるエージェントなら「リメディ」が最もおすすめだ。
M&A専門であるため、特にM&A求人を重点的に見ているのなら、登録はしておきたい。
専門家ならではのアドバイスやサポートもしてもらえるため、登録しておかないと機会損失に繋がってしまうだろう。
5.M&A業界で求められるスキルを職種別で紹介
M&A業界は外資系企業も多いため、聞き慣れない役職が存在している。例えば以下の職種だ。
それぞれの役割と、求められるスキルを紹介していく。
5-1.M&Aマーケットアナリスト
マーケットアナリストは、M&A市場のトレンドや企業の業績などを分析し、戦略的なアドバイスを行う職種だ。
市場の動向を踏まえてM&A案件を提案することがほとんどであるため、次に紹介するM&Aアドバイザーと兼ねることも多い。
求められるスキルは、以下のとおり。
- マーケット分析力
- 投資銀行やM&Aアドバイザーに関する知識
- 企業の財務分析力
- 英語力
5-2.M&Aアドバイザー
アドバイザーはその名のとおり、企業のM&A案件において、アドバイザーとして戦略的な支援を行う職種。
クライアント企業の資産やビジネスモデルを分析し、買収に適した企業を選定していく。
投資銀行や弁護士、会計士などと協力して、M&A案件を進めていくための総合的なパイプ役となる。
求められるスキルは、以下のとおり。
- 企業理解力や財務分析力
- プロジェクトマネジメント能力
- コミュニケーション能力
- 英語力
5-3.コーポレートファイナンス
コーポレートファイナンスは、資本や資金などを専門的に扱う職種だ。
クライアント企業の状態に応じて資本政策や資金調達、M&A案件に関する戦略的なアドバイスを行っていく。
求められるスキルは、以下のとおり。
- 企業財務分析力や財務モデリング能力
- M&Aや資金調達に関する知識
- コミュニケーション能力
- 英語力
5-4.M&Aデューデリジェンス
デューデリジェンス(Due Diligence)とは、企業買収に際して、買収対象企業の事前調査を行う職種。
具体的には対象企業の財務状況や法務、人事などあらゆるリスクを分析し、M&Aに適しているか評価していく業務を担う。
求められるスキルは、以下の通り。
- 企業の分析力
- デューデリジェンスに関する専門知識
- 財務や税務、法務に関する知識
- 英語力
6.M&A業界の企業と採用動向・選考対策ポイント
ここでは、M&A業界に属する以下の関連企業を紹介していく。
各企業の採用動向や選考対策ポイントを解説する。
6-1.M&A仲介会社
M&Aの仲介会社は、売買成立に向けて、買い手と売り手の間に立ち、助言やマッチング活動を行う企業だ。
FASの場合は買い手か売り手どちらかの企業から依頼されて、サポートを請け負うため、依頼元企業の利益が最大化するように動く。反対に、仲介会社は双方の利益最大化やスムーズなM&A成立を目指し、中立的な立場からサポートを行うのが特徴だ。
M&A仲介の採用動向
記事冒頭でも解説した通り、現在M&A仲介は好景気で採用に対して積極的だ。
銀行や証券会社の営業担当以外に、MRや保険、総合商社、専門商社、人材紹介など別業界の出身者でも採用されるチャンスがある。
また、外銀のM&A部門とは異なり、トップ大学出身者以外でも採用される事例は多い。
とはいっても、一般的な企業に比べると採用要件は高いため、前職での優秀な営業成績や高いスキルが求められる。その他、顧客は中小企業や中堅企業の経営者が中心であるため、折衝経験がある場合はプラス材料になる。
M&A仲介の選考対策ポイント
M&A仲介では以下2つのポイントに沿って、選考対策を行うと良い。
- 営業力をアピールする
- ハードワークに対する意欲をアピールする
- 財務会計に関する知識・スキルを証明する
M&A仲介は、入社後に高い営業成果が求められる。入社した直後は、新規案件獲得のために1日100件以上のテレアポをやることもあるので、現在の職場で行動量を武器に高い営業成績を出した実績があれば積極的にアピールするとよいだろう。
また、成果のためならハードワークも厭わない姿勢やストレス耐性もアピールポイントになるだろう。
6-2.FAS系コンサルのM&A部門
FASコンサルのM&A部門では、戦略コンサルからデューデリジェンス、バリュエーション、PMIまでのアドバイザリーサービスを提供する。
FASとは、「ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス」の略称だ。
前述の通り、売り手企業か買い手企業どちらかからの依頼でM&Aに携わるため、依頼元企業の利益が最大化するように動くのが特徴だ。
FAS系コンサルを提供する企業は以下の2つに分けられる。
Big4系FAS | デロイト、KPMG、Pwc、EYに属するFASのこと | 規模の大きい案件を中心にサービスを展開している。サービスの提供範囲も広く、多人数で案件に対応する。分業制を取っている。 |
独立系FAS | フロンティア・マネジメント、GCAをはじめ、グローバルコンサルティンググループに属さなFASのこと | 大手に対応することもあるが、中堅・中小企業の案件が中心。PMIのみDDのみなど、特定の領域に特化している企業も多い。 |
FASはM&A業界では、下流に位置づけられるため未経験でも十分にチャンスはある。反対に投資銀行M&A部門など、上流領域は即戦力の人材が求められるため未経験者には難しい。まずはFASで経験を積んだうえで、上流領域への転職を目指すのが推奨される。
それでは、採用動向や選考対策ポイントを解説していく。
FAS系コンサルの採用動向
Big4系FASと独立系FASでは、採用ニーズが異なるため、別々に解説する。
<Big4系FAS>
Big4系FASは分業制を敷いているため、部門別で採用ニーズが違う。
それぞれ以下の表の通りだ。
Strategy(戦略) | 経営的思考やスキルが求められるため、コンサルティングファーム出身者や事業会社の経営管理経験が求められる。財務の知識よりビジネススキル重視の採用が特徴だ。 |
FA(ファイナンシャル・アドバイザー) | TOEIC850点以上の英語力(ビジネスレベル)、財務会計スキルは必須。また、M&A経験も基本的に必要。 |
DD(デューデリジェンス) | 公認会計士資格もしくはUSCPA関連資格は必須。資格を持っていればM&A経験が無くても、狙えるポジション。 |
Valuation(バリュエーション) | 公認会計士やUSCPA、証券アナリストなど財務の知識を証明する資格があると有利。銀行や証券会社での財務分析経験者も対象。 |
PMI(経営統合) | コンサルティングファーム出身者やITシステム、人事制度の策定に関与した経験がある場合は業界未経験でも狙える。 |
上記の通り、Big4系はポジションによって求められるスキルが異なっている。採用難易度は非常に高いが、M&A業界未経験者でも採用されるチャンスはある。独立系に比べてBig4系の方が採用ニーズが高く募集ポジション数が多い点もおさえておきたい。
<独立系FAS>
独立系FASは企業によって採用ニーズや選考基準が大きく異なる。
ただしBig4系FAS同様に、以下のような資格が要件になっている求人が多い。
- 公認会計士
- USCPA
- 簿記(2級以上)
- MBA修了者 など
また、資格に限らずなにかしらのM&A経験を持っている人は優遇される。
独立系FASは、海外企業の買収などに携わるケースも多いため、英語力があると採用される確率が高まるケースも多い。
FAS系コンサルの選考対策ポイント
FAS系コンサルの選考対策ポイントは、資格取得や英語力アップ、M&A経験を積むことがまず挙げられる。
また、面接体系もケース面接が行われるなど特徴的なため、事前に対策しておきたい。
ケース面接とは、特定の課題に対し、一定時間以内で面接者に対して回答を出す面接方法だ。課題に正解しているかどうかよりも、回答に至るまでの論理的思考力が求められる。
フェルミ推定などの知識を事前に学んでおくとよい。
モデリングテストのスキルも身に着けておいた方が良い。
6-3.投資銀行M&A部門
投資銀行のM&A部門では、企業に対し買収や合併、売却の提案・支援を行う。投資銀行では、M&Aの他、デットファイナンス(借り入れによる資金調達)、エクイティファイナンス(株式発行による資金調達)などの提案もする。
戦略段階から、デューデリジェンス、バリュエーションまでのサポートを行うが、PMIには基本的に携わらないのが特徴だ。(投資銀行がPMIをすると採算が合わないため)
企業に対し、以下のような形で売却・買収どちらの提案も行う。
- 売却⇒不採算部門の○○事業を売却しないか
- 買収⇒○○社の○○事業を買収しないか
取り扱う案件の規模は大きく、時には数兆円規模にもなる。ニュースで取り上げられるような案件の陰にいる存在も、投資銀行M&A部門だ。
投資銀行M&A部門の採用動向
まずはじめに同業の投資銀行出身者は採用対象にならない。
投資銀行未経験の方が対象で、年齢要件は25~30代前半が基本だ。
その他、以下のような採用ニーズがある。
- 国内外問わずトップクラスの大学を卒業している
- MBAホルダー(海外のトップスク―ル卒業)
- FASや監査法人出身者
- 戦略コンサル出身者
- 事業会社の経営企画部門出身者
大学がトップクラスでなかった場合でも、海外トップスクールでMBAを取得した人であれば、採用されるチャンスはある。また、第二新卒〜30歳までの人材の方が評価は高い。
投資銀行はM&A業界の中でも、採用難度が特に高い上流領域だ。直接の転職が難しい場合は、FASを経由したうえで挑戦するのが望ましい。
投資銀行M&A部門の選考対策ポイント
投資銀行M&A部門に採用されるためには、高い学歴や年齢の要件を満たしていることの他、以下のような職務スキルや語学力があるとよい。
- 文書作成能力
- 財務関連のスキル
- ネイティブレベルの英語力
- 外国人の投資銀行マネージングディレクターに気に入られやすい人物像
人物像に関しての対策はやや難しいが、英語力や文書作成能力、ファイナンススキルは努力で高めることができる。
また、投資銀行によっては、学歴以上に職務スキルを重視するケースがある。
6-4.事業会社内のM&A担当者
大企業から、中小企業、ベンチャーまで企業規模を問わず、事業会社でのM&Aが活発化している。そんな背景もあり、専任のM&A担当者の求人も増えている。
事業会社内のM&A担当者は、事業会社の拡大・成長を目指し、企業買収や不採算部門の売却に携わる。
事業会社のM&A担当者は、即戦力が求められるため、未経験ではまず採用されない。
投資銀行のM&A部門やFAS、M&A仲介で勤める人が、自身の転職先や最終キャリアとして考えているケースも多い。
理由として、事業の成長に中核として携われることや投資銀行・FASに比べてワークライフバランスがよいことが挙げられる。
事業会社内のM&A担当者の採用動向
前述の通り、求められるのは即戦力人材であるかどうかだ。言わずもがな、高いレベルでのM&A業務の経験を持っているのは必須だ。
経験やスキルの他、以下のような側面も求められる。
- コミュニケーション力が高い
- プレゼンテーションが上手い
- ロジカルシンキングできる
- 柔軟な発想力を持っている
- チームワークを乱さない、チームで仕事を進められる
- 交渉能力が高い
事業会社は、投資銀行やFASと雰囲気がやや異なる。そのため、いくら仕事ができてもチームの和を乱しそうな人材は好まれない場合が多い。
事業会社内のM&A担当者の選考対策ポイント
これまで、事業会社のM&A担当者は即戦力採用と述べてきたが、厳密にいうとやや経験が浅い人でもチャンスはある。
歴史ある大手企業では難しいが、成長中のベンチャー企業などの場合、M&Aコンサルティングファーム出身というだけで採用されるケースがある。ただし、狭き門であることに変わりは無いので、まずはFASや投資銀行、コンサルティングファームなどで経験を積んだ方が良い。
また、募集が行われはじめてから、早々に採用枠が埋まってしまうのも特徴だ。目指している業界や企業で募集枠があった場合に備えて、早めに準備を進めたほうがいい。
7.M&Aの転職サイト&エージェントを賢く利用する5つのコツ
転職サイト・エージェントを利用する際は、上記5つを意識すると賢く利用できる。
M&A業界へ転職を考えていて、これから転職サイト・転職エージェントを使ってみようと考えている人はあらかじめ読んでおこう。
7-1.レスポンスを早くする
転職サイトや担当エージェントから求人の紹介や面談アポイントの連絡があった場合、なるべく早くレスポンスしておこう。
サイトの担当者やエージェントにとって、早い反応がある人ほど熱意や几帳面さを感じるだろう。
熱意や几帳面さがある求職者のほうが企業側にアピールしやすく、内定にもつながりやすいのは間違いない。
よい求人が1枠で残っていた場合、レスポンスが早い人と遅い人どちらに紹介するかを考えてみよう。答えは明らかだ。
たとえレスポンスが断る返答であったとしても、なるべく早く返した方がよいだろう。
7-2.希望条件は遠慮せず伝える
希望条件について、妥協するのはやめておくべきだ。
人生の貴重な時間を使い、難易度の高いM&A業界にチャレンジするのだから、先方やエージェントに遠慮をして決めるのは避けたい。
たとえ遠慮して内定を獲得したとしても、思っていた労働環境にならず早期退職となった場合、あなたと企業の双方にとって損失が発生してしまう。
もちろん100%希望通りとはいかないが、どうしても譲れない希望があるなら、空気を読むような遠慮はやめておくことをおすすめする。
7-3.複数の転職サイト・転職エージェントを使う
もっとも重要なポイントは、複数のサイト・エージェントを並行して利用すること。
M&A業界は非公開案件も多く、サイトやエージェントごとに扱っている求人も異なる可能性が高い。
視野を広げるためにも、複数のサービスを併用して利用し、多くの情報を集めておこう。
またエージェントを利用している場合、相性が悪いエージェントが担当となる可能性もある。
複数のルートを確保しておくことで、いざという時の保険にもなるだろう。
特に「ビズリーチ」や「リクルートダイレクトスカウト」は併用して使っておきたい。
どちらもハイクラス向けのスカウト型転職サイト・エージェントだが、求人数が多いだけでなく、評判も高い。
もし、どのサービスを使えば良いか迷った場合は、まず最初に登録することをおすすめする。
スカウト型転職サイトについては、下記の記事でより詳しく解説しているため、併せて参考にしてみてほしい。
7-4.エージェントに嘘をつかない
転職エージェントに対しては、本音で正直に話すことが大切だ。
選考を有利に進めたいからといった嘘をついてしまうと、後々食い違いの発生にとどまらず、下手をすると大きな問題(履歴詐称など)に発展してしまうケースもある。
M&A業界は企業数が少ないため、悪評などはすぐに広まってしまう特徴がある。転職エージェントに限らず、選考を受ける企業との信頼関係は非常に重要なので、正直でいることが鉄則だ。
7-5.担当と相性が悪いと感じた場合は変更を希望する
転職エージェントを利用すると、担当のキャリアアドバイザーがつく。
キャリアアドバイザーも人間なので、自身と相性が悪いケースは往々にしてある。また、実績豊富な転職エージェントでも、新人で頼りない担当キャリアアドバイザーがつく可能性はある。
転職は人生の大きな転機なので、担当者と相性が悪い、頼りないと感じた場合は変更を希望したほうが良い。
直接キャリアアドバイザーに伝えにくい場合は、エージェントのサービス問い合わせ窓口を経由して変更を希望するのがおすすめだ。
8.M&A業界へ転職するための5ステップ
M&A業界への転職を成功させるなら、転職エージェントを利用して上記の5ステップを踏もう。
8-1.希望条件を具体化
転職サイトや転職エージェントに登録する前に、希望条件を明確にしておく必要がある。
具体的には、次の3つの条件を決め、優先順位も考えておこう。
- 勤務地:勤務地や転勤先の有無
- 勤務条件:時間外勤務の状況やリモートワーク・フレックス制度の有無
- 待遇面:役職や給与、福利厚生の有無
これらの条件は転職エージェントが応募先と交渉してくれる場合が多い。
内定を獲得した後に交渉となるとトラブルにもつながるので、最初の段階で明確な希望を決めておくべきだ。
8-2.転職エージェントに登録
自分の希望条件が決まったら、転職エージェントに登録しよう。
まだどの転職サイト・エージェントがよいか決めていない方は、おすすめの転職エージェントから直感的にいいと感じたところに登録してみよう。
転職サイト・エージェントは基本的に無料で利用できるため、登録することに大きな損失はない。
まだ本格的に転職を決めていない人であっても、自分のキャリアの棚卸しや役立つ情報を得られるメリットがある。
とりあえず複数のエージェントに登録しておくのがおすすめだ。
8-3.応募書類の作成
登録が終わったら、応募に向けて書類作成に入ろう。
具体的にはあなたの人間性をまとめた履歴書と、仕事の経歴や実績をまとめた職務経歴書の作成が必要となる。
どちらも、企業があなたの採用を判断するための重要な材料となるので、ミスがないように作成を進めなければならない。
書類作成にあたって気をつけるべき点は、事実を記載することと、客観的なチェックを受けることだ。
とくに実績の記載は「事実を大きく見せたい」という心理が働きやすい。
以下のように数字を使って記載することで、偽りのない実績として記載が可能。
- ✖︎:同期入社の中でトップレベルの実績を上げる
- ◯:同期入社の中で上位1%の実績を上げる
当然ながら、まったく事実と異なる実績を記載することはあってはならない。内定後にトラブルとなるからだ。
また作成した書類はエージェントにチェックしてもらい、客観的なアドバイスを受けよう。
多くの転職をサポートしてきたエージェントであれば、どのような内容を盛り込めば内定につながりやすいかを熟知している。
M&A業界は高い専門性が求められるため、エージェントの力を借りて、少しでも内定を獲得しやすくする工夫が大切だ。
監修者:株式会社キープレイヤーズ代表取締役
高野 秀敏
環境によって数字のもつ意味が変わることも考慮すべきです。
「トップレベルの実績」と言われても、イメージがつきづらいのと同様に、「年間で売上1億円を上げた」と言っても、それが与えられた環境に対して、望ましい実績なのか、わかりません。
目標値や基準値、周囲のメンバーの数値などと比較して、数字が正しく理解してもらえるようにしましょう。
8-4.転職エージェントと面談、求人選別
必要書類の作成が完了したら、希望とマッチした求人を探そう。
M&A業界の経験がある方は転職サイトを利用し、自分のペースで求人を探せるだろう。
しかし、M&A業界が未経験であれば転職エージェントを頼るべきだ。
収入が高いから、と自分だけで判断して応募した結果、ミスマッチが発生して早期に離職するケースも考えられる。
転職は人生の大きな決断のひとつ。
自分の経験だけを頼りに進むよりも、専門家の意見を聞きながらルートを探る方が近道であることが多い。
8-5.応募・採用選考
応募先が決まったら、書類選考にむけた準備と、面接練習に取り組もう。
M&A業界の面接では、必ず自分のバックグラウンドを語れるようにしておく必要がある。
バックグラウンドを語るとは、自分が努力してきたことや困難を乗り越えてきた経験、成し遂げた実績などをストーリーとして語れること。
例えばあなたが高校時代に部長を経験しており、何十名もの部員をまとめてきた経験があるとしよう。
部長として、考え方も育ってきた環境も違う部員をまとめることは容易ではない。
恐らく、うまくいかなかったことが多いだろう。
しかし、そのような中で行った施策や議論の過程をストーリーとして語れば、面接官に「根性がありそうだ」と感じてもらえるかもしれない。
M&A業界に必要なスキルは入社してから身につけられるかもしれないが、やる気や精神力といった人間性はあなた自身のバックグラウンドによって身につくものだ。
面接官もこの人間性に注目していることが多いので、言語化してアピールできるようにしておきたい。
まとめ|M&A業界への転職サイト&エージェント選びが重要
M&A業界は高収入な反面、求められるスキルも非常に高いと言える。
そこで大切なことは、早めに準備をして、行動しながら方向を修正していくことだ。
ひとりで悩まず、とりあえず転職サイト・エージェントで求人を眺めてみるだけでも、とるべき行動が見えてくるだろう。
もう一度、本記事で紹介した転職サイト・エージェントをまとめておく。
上記のサービスは、いずれも求人数を一定以上有しており、多くの転職サイトでも取り上げられている。安心感をもって利用ができるだろう。
同じM&A業界への転職を狙うライバルよりも、1日でも早くアクションを起こそう。
M&A業界への転職を考えるときによくあるQ&A
- 学歴が低いけれど転職できますか?
-
4年制大学を出ていれば、あとは面接次第。
以下のYouTube動画では、東海大学と京都産業大学出身のお二方が、M&A業界に転職するまでの経歴を語っている。
【M&A転職ノウハウ】こんな私でもM&A業界にいけるのか?
どちらの大学も偏差値40〜50程度だが、転職に成功し、活躍していることがわかる。学歴よりも、自分のバックグラウンドのストーリーを面接でどれだけアピールできるかが大切だろう。 - 英語の能力はどのくらい必要ですか?
-
少なくともビジネス英語において、読み書きができるレベルは必須。
中途採用であれば、金融機関での実務経験とともに、TOEICの必須スコアが求人票に記載されていることもある。
求人サイトを調べてみたところ、TOEIC800点以上で募集されているケースが多いようだ。 - M&Aの経験を生かして独立は可能ですか?
-
独立して起業することは、十分可能だ。
独立を考えるなら、企業や投資家とのネットワークを広げながら「あなただからこそ依頼したい」と言ってもらえるような信頼が大切となる。M&A業界は競争が激しくなることが予想されるので、社員として働く間に、高い専門性と実績を積み上げておきたい。
【独自調査】243人に聞いた!2人に1人は未経験でM&A業界への転職に成功!
M&A業界で働いたことのある243人に転職経験について聞いたところ、50.21%の人が異業種からM&A業界に転職したと回答しました。
このことから、前職の経験やスキルなどを活かせば、異業種からの転職も可能だということがわかります。
一方で、30%弱の人はM&A業界からM&A業界の同業種での転職も行っており、流動性の高い業種だと言えるでしょう。
M&A業界への転職方法はエージェントの利用が1位!
では実際にM&A業界への転職に活用した媒体を聞いたところ、1位が「転職エージェント」で2位が「転職サイト」ということで、M&A業界の求人募集を見ている人が多いことが判明しました。
また3位には「友人・知人からの紹介」や4位に「ヘッドハンティング」がランクインしていることから、強い人脈があったりスキルが高かったりする場合には転職エージェントを使わない場合もあることがわかります。
M&A業界への転職で大事なことは志望動機の深掘り
実際に転職した人に、転職活動で力を入れたことを聞いてみると、「志望動機の深掘り」が1位になりました。
そして2票の僅差で「自己分析、キャリアの棚卸し」が2位にランクインしています。
そのため、「なぜM&A業界に入りたいのか?」や「自身のスキルや経験の分析」がM&A業界への転職では非常に重要となることがわかります。
M&A業界の志望理由第1位は「成長とキャリアアップのため」
では、実際にどのような理由でM&A業界を志望したのか聞いてみると、「自身の成長、キャリアアップのため」という回答が1位になりました。
このことから、今後のキャリアプランをしっかり考えた上で転職している人が多いことが見受けられます。
また、M&A業界は利益率の高い業種として知られており、年収アップも期待できるということで、「年収アップのため」という回答が2位にランクインしました。
M&A業界で一番大変なことは「勉強すること」
このように、M&A業界は非常に魅力的な業界ですが、実際に働いてみて大変だったことももちろんあるようです。
M&A業界に入って一番大変だったことを聞いてみたところ、「学ぶことが多いこと」が1位にランクインしました。
特にM&Aは今までに経験したことのない領域や分野、内容を扱うこともあり、常に勉強をし続けなければならない環境といえます。
また、2位には常に結果を求められることも大変だということで、学びながらも結果も出さなければならないプレッシャーがあることが推測されます。
このように、M&A業界はキャリアアップには非常に最適な場所でありながらも、貪欲に学び続けなければならない環境でもあるといえます。
ご自身の目的に合ったキャリア選びが転職を成功させると言えるでしょう。