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大阪の枚方市でフリーランスのWEBデザイナーとして活動しております、ストレンジブレイン株式会社の岡田大誠と申します。
普段は、パートナー契約を結んでいる企業様のWEBサイトの制作や保守を中心にお仕事をさせていただきております。
仕事の内容は、WEBサイトのデザイン、コーディング、ディレクション、WordPress、IT・WEB系サポート等いろいろと、ひとりなのでできることを割りとなんでもやっております。
申請した補助金について
今回申請した補助金は、枚方市が募集していた「新産業創出支援事業(ビジネスプラン補助金)」です。
それではまず、新産業創出支援事業(ビジネスプラン補助金)について詳しい内容を説明いたします
補助金の趣旨
いわゆる「創業補助金」に近いもので、応募のあった事業計画から新規性に優れた事業で
①枚方市内の地域資源の活用
②学校または大学その他の研究機関との連携
③医療・健康分野に係る研究開発
これら3つのいずれかをテーマにした新しいビジネスを実施する事業者に対して、スタートダッシュを支援する内容の補助金になります。
ちなみに、法人でなくても個人でも応募できます。僕はまだ法人化していないので個人で申し込みました。
②と③については、なかなかハードルが高く、今回僕は「①枚方市内の地域資源の活用」をテーマに事業計画を作成し、補助金獲得を目指しました。
今回の補助金について、申し込みすれば誰でも獲得できるものではありません。
まず一次審査があります。一次審査は枚方市指定のフォーマットの「事前計画提案書(事業計画書)」に新しく始める事業について記入し、枚方市に提出します。
いわゆる書類審査になります。
あきらかに無茶苦茶な計画だったり内容に問題がある事業は、一次の書類審査で落とされることになります。
その後、一時審査の合格者を対象に、枚方市役所でプレゼンテーションを行います。
審査委員は枚方市の職員ではなく外部委員で構成されているようです。
くわしい経歴は教えてくれませんでしたが、主に経営やビジネスの専門家・コンサルタント・大学の教授の方などが外部委員に選ばれるようです。
詳しいその他の募集要項などについては、枚方市に問い合わせたり直接訪問しましたが、親切丁寧に教えていただきましたので、不明なことは遠慮なく問い合わせてみるといいと思います。
審査内容
まず審査の前段階として先程書いた
①枚方市内の地域資源の活用
②学校または大学その他の研究機関との連携
③医療・健康分野に係る研究開発
これらのいずれかに該当する事業でないと申込み自体を受け付けてもらえません。
審査のポイントは「新規性」「収益性」「地域性」「実現性」「成長性」この5つになります。
この5つのポイントを書類審査、プレゼン審査を外部審査委員が審査し、最終的に採択となる事業者を決定します。
補助の内容
補助金の内容についてですが、借金や融資ではないので支給されたら原則返さなくてもいいお金です。
もちろん条件はいろいろあります。今回の新産業創出支援事業補助金にもいろいろ条件があり、
- 初年度経費の50%を支給(2017年の3月までにかかった経費が対象)
- 経費の50%でも、上限金額は200万円。
- すべての経費が対象となるわけではなく「広告宣伝費」「備品購入費」「美品借上費」「内装工事費」「調査費」「その他委託費」「報償費」「人件費」が対象。
対象経費について、例えば物件を借りた家賃等については補助の対象になりません。
どんな事業で申込んだのか?
今回の補助金については、「新しい事業」について補助金が支給されるものです。
現在僕はWEBサイトの制作のお仕事を行っていますが、当然これは新しい事業でなく既に行っている事業のため、申込みできる事業ではありません。
そもそも単純なWEBサイトの制作事業では
①枚方市内の地域資源の活用
②学校または大学その他の研究機関との連携
③医療・健康分野に係る研究開発
これら3つのテーマのどれにも該当しないため、補助金の申し込みができません。(地域性もないので)
ですので、以前からぼんやりと考えていた事業をこの機会に事業計画書にまとめて現実的なところまで落とし込んで、実行に移そうと考えました。
具体的にどういうことやるのかについて、肝心なところを伏せていて申し訳ないのですが来年に発表予定です。(すみません・・)
現在準備をいろいろ行っておりますので、発表を楽しみにしていてください。
すこしだけ新しい事業の内容に触れると、WEBサイトの制作とまったく無関係の事業ではありません。
これまでの経験とまったく違う事業だと補助金の審査には通らないばかりか、ノウハウがないために失敗する確率が非常に高いです。
今回の補助金を知って考えた事業ではなく、前々から考えていた事業をこの補助金対象事業募集の機会に形にしてみました。
なぜ補助金をとってみようと思ったのか?
それではなぜ、今回の新産業創出支援事業の補助金を取ろうと思ったのかについて説明させていただきます。
一番最初のきっかけは、パートナー契約を結んでいる枚方つーしん代表の原田さんからの紹介でした。
去年も同じ内容で補助金の募集があって、そのとき原田さんは枚方のコワーキングスペースひらばの事業で事業計画書を書いて審査をクリアし、補助金を支給されていました。
原田さんも枚方市役所の方も言っていましたが、この補助金の審査に通る通らない関係なく、客観的に自分の始めようとしている事業について本当にニーズはあるのか?
ほんとうに収益性はあるのか?
コンセプトはしっかりとしているか?
などを見直す機会としてとてもいいチャンスだと話しておられたので、はじめての経験ですが挑戦してみることにしました。
もちろん、事業計画書なんて書いたことは一度もありませんし、公的な補助を申し込むのもはじめての経験です。
この補助金は枚方市の予算の関係かわからないですが、毎年急に募集が始まるみたいでお話をきいてから締め切りまで1ヶ月もありませんでした(笑)
締め切りまで時間がかなり厳しい状況でしたが、時間がないのはこれから何をするにも当たり前ですし、年収1,000万円を目標にするならこれぐらいクリアせねばと思い、がんばって締め切りまでに事業計画書をつくることにしました。
あとは、枚方市の新産業創出支援事業に選ばれることで、「枚方市の正式な補助をうけた事業」として打ち出すことができるメリットがあるのも補助金に応募した理由です。
法人ではなくフリーランス個人ですので、どうしても甘く見られがちですが、補助金の対象事業に選ばれることで、枚方市が公的に応援している事業ですと言うことができます。(市役所に確認済)
当然、審査がありますので怪しい事業や法的に問題がありそうな事業、あきらかに失敗する事業については審査で落とされるので、これらをクリアした事業であると胸を張って言えるのは、今後かなり大きな武器になるだとろうと思いました。
まだ理由はあるのですが、現在WEBサイトのお仕事でなんとかうまいことやっていけていますが、年収1,000万円。月収にすると約84万円。これを毎月コンスタントに稼ぎ続けるのはWEBサイトを作るだけでは難しいですし、必死で頑張れば今の状況だと到達できそうですが、そうなるとただ自分の時間をお金に変えているだけで時間がほとんどなくなってしまいます。
お金はもちろん大事なのですが、僕はそれ以上に時間を大切にしたいのでお金と時間を両立させようとすると、現状のままWEBサイト制作だけではかなり苦しいことになると予想されます。
お金と時間を両立させながらフリーランスとしてうまくやっている証明、年収1,000万円を目指すにはWEBサイトの制作だけでなく新しい事業を始める必要があると考えました。
このようにひとつの理由だけでなく、いくつもの理由があって今回補助金の申込みをすることになりました。
事業計画書とはどういうこと書くのか?
ではでは、事業計画書(事前提案書)とは、どういうことを書くのか?
応募の旨を枚方市役所に伝えるとフォーマットのデータが送られてくるので、基本的にはそのフォーマットに従った内容で作成しました。
書かないといけない内容は、いろいろあるのですが
- 事業の概要説明
- どうやって商品(サービス)を企画開発するのか?
- いくらで売るのか?顧客が認識する価値と比べてどうか?
- 販売チャネル
- 宣伝・プロモーション・PR方法
- 対象市場について、ニーズはあるのか?
- ターゲット層
- 事業内容の新規性、収益性、地域性、実現性、成長性
- 地域需要、地域活性化への波及効果
- 事業を進める上での課題や懸案となる事項とその解決方法
- 事業スケジュール
- 資金調達の内約
- 事業の収支計画
おおまかにこのようなことを、きちんと根拠づけて書きます。
あとは、文字だけの説明だとわからないので、画像を挿入したり添付資料をつけくわえたりして、審査員により事業について理解してもらいます。
文字だけでいくら、説得力のあることをいっていても伝わらなければ意味が無いので、どうやたったらより分かりやすく自分の始める事業について理解してもらえるか、上記のようなことをして工夫しました。
事業計画書で一番苦労したところ
初めてのことばかりでしたので、苦労したことばかりでしたが、中でも「本当にニーズはあるのか?」の根拠付けには非常に苦戦しました。
僕個人の肌感覚では「必ずニーズはある!」と実感していましたが、それを証明するためのデータや根拠付けがないと説得力がありませんし、ここを外してしまうと事業自体が成り立たないので根拠となるデータを探し出すのに苦労しました。
事業内容について、まだ表に出せないので詳しい話はできないのですが、いろいろGoogle検索していたところ、僕が始めようとしている事業のニーズについて某大学がきちんと調査した上でレポートとして公開している資料を発見しました。
レポートをしっかり読ませていただいたのですが、僕の肌感覚で感じていたニーズについてデータとして書かれており、間違っていなかったと安心しました。
これがなかったら、僕が自分で調査してレポートを作成するとことから始めるはめになっていたでしょう・・・。
あとは、やっぱりお金の計算ですね・・。
資金調達や収支計画について抜けがあったり、辻褄が合わなかったり、苦戦しました。
まず枚方市役所に提出する前に、枚方つーしんの原田さんに一度チェックしてもらいアドバイスいただきました。本当に感謝です・・!
その後、締め切り当日に枚方市役所に申込書類を持参してチェックしてもらいましたが、やっぱりいろいろと数字の記入ミスがありました。
幸いPCを常に持ち歩いておりましたので、すぐに修正して再提出しましたが改めて期日当日に出すのは良くないと実感しました(笑)
この記事を読んで、これから補助金の申請をしようと思っている方は、ぜひ期日に余裕を持って提出することをオススメします(笑)
プレゼン審査について
そんなこんなで四苦八苦しながら、時間がない中で事業計画書をつくり申し込みしました。
数日後、枚方市役所から連絡があり書類審査合格の連絡をいただきました。まずは第1段階クリアです。
ですが、ここからが大変なところで次はプレゼン審査があります。
決められた日時に枚方市役所に行って審査委員の前で事業についてプレゼンをします。
時間は5分がプレゼンの時間で、他に10分程度質疑応答の時間があります。古めかしい雰囲気のある会議室で6人ぐらい審査員がいる前でプレゼンをするわけで、もちろん緊張しました。
しかもプレゼン時間は5分と定められており、時間を超えると強制的に打ち切られます。このプレッシャーもあり、よけいに緊張してプレゼン中は自分でも何をはなしているかわからなくなりました(笑)
ですが、その後で市役所の人に話を聞いたら、他の応募者もみんなそんな感じでうまくプレゼンできなかったみたいで、あの場所の雰囲気が強烈過ぎたようです。
その後の質疑応答は厳しい時間制限もなく、プレゼンに比べて落ち着いて対応できました。
あとは、事前に「これ聞かれるよ!」と原田さんに聞いていたのですが、本当に聞かれた内容
「この事業を行う余力はありますか?」
これは本当に大事なことだと今まさに実感しています。どんな素晴らしい計画も実行されなければ意味がありませんし、独立している人はだいたい忙しいのが当たり前なので、この質問の意味をこの12月末にひしひしと実感しております。でもやるしかないのです!
結果・・・!
プレゼン審査を終えて、数日後に枚方市役所から連絡がありました。
結果は、合格!枚方市新産業創出支援事業に無事選定されることとなりました。
一区切りつきましたが、ここから事業を実行に移すのみです。いろいろ準備がありましたが来年から新しい事業を公表して始めていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。
あとは、余談ですが今年の補助金関係はどこも採択率が低かったようです。今回の新産業創出支援事業の採択数も、かなり少なかったようです。
以上、ここまでがフリーランスが補助金をゲットするまでの話でした。補助金についてはいろいろな種類がありますし、地方自治体によって違ってたりするので興味のある方はぜひ調べてみてください。
よかったこと
事業計画をつくって客観的に自分の事業を見直すことで、いろいろな抜けや事業の作り込みの甘さを知ることができました。この計画なしに突っ込んでいっていたら、危なかったと思います。
このことは、事業とかじゃなくてフリーランス全般にいえるのではないでしょうか?
例えば僕のようなクリエイター・プログラマー系のフリーランスだと、どうしても作ること・最新技術を知ることばかりに注力しがちでこういった戦略とか計画とかは普段考えることが少ないので、とてもいいきっかけになったと思います。
それと、今後も他の補助金など受けるときに今回作成した計画書をもとに、言い方は悪いですが一度作ってしまえば使い回しができます。実際に先月、国民政策金融公庫の事業融資も今回の資料を添付したら審査OKでした。
あとは、やはり枚方市の正式な補助を受けている事業とこれから言えることも大きなメリットだと思います。
悪かったこと
そうですね、悪かったことはそこまでないのですが、時間がなくて忙しかったことでしょうか。やっぱこういのは最低まるまる一ヶ月とか準備したいですね。
今後について
補助金を無事ゲットしたからと言って、すぐにお金が手元に入ってくるわけではありません。2017年の3月まで使った経費について残しておき、報告書の提出と枚方市役所でかんたんな報告会を行ってようやくお金が入ってくる流れになります。
つまり一時的に経費は一時的にこちらが自己資金で負担することになります。上限の200万円をもらおうと思ったら、2017年3月までに400万円使わないといけないことになります。
正直かなりめんどくさいですが、もとは税金をいただくわけですから仕方ないですよね。